コンセプト設計は、
「ユーザーファースト」の徹底です。
ユーザーは何に悩み、何を解決したいのか?
その悩みに対してどうアプローチできて、どう解決まで導けるか?
集客できるかどうかはこの「コンセプト」で9割決まります。
市場調査でイヤってほどわかっていただいたように、
自分がやりたいものを優先するのではなく、
リサーチの元、コンセプトを決めていきます。
ですが、
実はこのコンセプトを見つけることが一番難しいです。
ここにめちゃめちゃお金をかけている会社も多いです。
だからこそ今回の
「集客が成功するコンセプトを見つけ出すこと」
についての説明がどうしても長くなってしまいます。
けどぶっちゃけ、まだ足りないくらいです。
私が思うに、
・「市場調査」
・「リサーチ」
・「コンセプト」
これさえ間違っていなければ、確実に集客は成功します。
だからこそ理解できるまで何度でも読み返してください。
ただ、SNSのアカウントのコンセプト程度であれば、
元手0円なので、リサーチしてみた結果を、
「これはどうかな」
「こんなニッチなジャンルでも需要はあるかな」
と、どんどん試したほうがいいと思います。
やってみないとどこに需要があるかわからないですからね。
ですが、
それを事業として考えるなら話は別になります。

もしあなたが、「新規で美容室をオープンさせる」のであれば、
開店資金で数百万~数千万のお金を使います。
もちろん借金もするでしょう。
そんな大金と人生をかけて始める事業をコンセプトもなしに、
始めるなんて、正気の沙汰ではないでしょう。
ですが残念なことに、
顧客がいるという理由だけで独立してしまい、
コンセプトが曖昧なまま事業を続け、10年後に緩やかに衰退していく。
こんな美容師が山ほどいるのも事実。
誰しもそんな最悪の結末になりたくないですよね!
だからこそ、
「コンセプトを作り上げる経験」は、
しておいて損はないです。
実際に事業を立ち上げるときでも、
サロンのキャンペーンを作り上げる時でも使えるからです。
そんな中で比較的、手が出しやすく、リスクも少なく、
世の中の反応が見れるSNSのコンセプト作成の経験は、
かなり役に立ちます。
ぜひ今回の企画でコンセプト作成の経験を積んで頂き、
「新規客を集客できた」という結果を手に入れましょう。
個人で作るコンセプトには限界がある

そもそもこの「コンセプトを作り上げる」という部分は、
多くのマーケターや経営者、学者さんが、
ビジネス本や講演会などで、お金を頂いて説明しているものです。
企業で言えば、
「コンセプトを作り出す会議」だけに何か月もかかったり、
消費者にリサーチやアンケートなどをして、
時間とお金をかけてコンセプトを作り出しています。
そんなことを個人でやるには、時間もお金も限界があります。
だからどうしても、
リサーチして「やってみる」というスタイルをとらざるを得ない場合が多いのです。
では、
「コンセプトが大事ってことは分かった。だけど、実際それってどうやるの?」
って思いますよね。
だから今回は、そんなコンセプトの作成を、
私なりにわかりやすく、できる限り再現性ある形でお伝えしていきます。
勝てるコンセプトを作るためのリサーチ

コンセプトをいざ作るとなっても、
自分にはどんな武器があるのか?を知らなければなりません。
それを知るために、自己分析と顧客分析をしていきます。
すでに、
「市場調査とリサーチ」で出したライバルの5つのポイントのリサーチは済んでいますね。
- ターゲット
- コンセプト
- 価格帯
- 商品またはサービスの提供方法
- 差別化ポイント
- 参入する業界は需要と供給
そこで出た5つのポイントを元に、
今度は、その5人に自分が勝てるポジション取りをしていきます。
◆【自己分析】
まずは、
どこなら勝てるのか?「自分の強み」を洗い出します。
前回同様、紙に自分の強みを書き出していきましょう。
ここでいう強みとは、「顧客側から見た時の強み」です。
・素直
・礼儀正しい
・努力家
みたいな内面的なものは、ひとまず置いておきましょう。
「強み」のリサーチ
例えば私であれば、
- 美容師18年の経験
- ヘアコンテスト3回優勝
- ロレアルカラーリスト検定修了
- 2万人以上のお客様を担当
- 3店舗のエリアマネージャー
- 雑誌の撮影経験多数あり
これが、「顧客向けの強み」です。
また、「同業者向けの強み」も洗い出します。
- ディーラーから3割引きで商材を仕入れられる
- SNSフォロワー1万人以上いる顧客が3人いる
- 縮毛矯正と髪質改善で多くの顧客を満足させている
- 他にない最新機材がある
など。
これはライバルと戦う上で「使える武器という強み」です。
続いて、
強みとは逆の「自分の弱み」を書き出します。
「弱み」のリサーチ
得意ではない。または、
ライバルよりも弱みだと感じることを書きます。
これも私の場合だと、
- ダブルカラーが下手
- 20代のお客様があまり顧客にいない
- 店の席数がライバルよりも少ない
- カラー剤の数がライバルよりも少ない
など。
いくら書いても誰も見ないので、安心して書けるだけ書いてください。
◆【顧客分析】
では次に、今のあなたが抱えている顧客の特徴を書き出します。
現在のあなたの顧客はどのような人が多いですか?

ここでも「幅広い年齢層」とか、「カットカラーが多い」とか、
そんな大まかになんて聞いていません。
もし顧客データを取っているならば、
パソコンで出力するとかなり正確な数字が見れます。
主に調べる項目は、
- 年齢層
- 男女比
- 職業
- 性格
- 会話の内容
- 会話のテンション
- 顧客が来店される目的
- 注文されるメニュー
- 顧客があなたを選ぶ理由
- イレギュラーな顧客層はいるか?
- 顧客の他社サービスに対する不満はあるか?
ここまで分析していきます。
さらに美容師ならば、
- カットはどんなスタイルが多い?
- 梳く量は多い?少ない?
- カラーではどんな色が多いか?トーンは?明度は?
- お客様のファッションスタイルは?
など、かなり細かく調べられます。
※これをやりすぎると沼にはまりやすいので、
全体の顧客層を見た後に、
顧客分析を最適化するのであれば、
「あなたのターゲットに近い顧客層」
「お金を落としてくれる顧客層」
で優先順位をつけると良いでしょう。
また、
ターゲットが20代の女性なのに、
顧客の男性やおばちゃんの性格まで考えてしまうと、
コンセプトがブレてしまいます。
逆に男性が多かったり、おばちゃんが多かったりすれば、
ターゲットの設定が間違っているともいえます。
ライバルとの「差」を見つける3つのポイント

「市場調査とリサーチ」で調べ上げたライバルとの「差」を見つけ出すために見るべき3つのポイントをまとめました。
当たり前ですが、ライバルと同じことをしていても、
所詮は、「二番煎じ」。
ガンガン活動して露出度を高めている人や毎日投稿している人に勝つことは難しいでしょう。
まずは、
ピンポイントで勝てる要素を見つけ出すために、
以下の3つを注目してみると良いです。
1,価格は適正なのか?
〇ライバルが提供している価格は高すぎないか?
〇自分ならもっと高品質で安く提供できないか?
〇客数で勝負か?客単価で勝負か?
2,「お客様の理想の未来」を叶えているか?
〇お客様のニーズが多いのか?
〇ライバルのコンセプトでニーズが満たせているか?
3,お客様が思っているライバルの不満
〇お客様がライバルのサービスや商品に不満があるとしたら?
ライバルもすべてを満たせているわけではありません。
必ず付け入る隙はあります。
ですが、どの隙をつくか悩んだ場合は、
いかに、「売上を伸ばせるか?」で確認すると良いでしょう。
ライバルからお客様を引き抜くことは可能か?

なにも新規開拓を狙わなくてもいいのです。
発信が似ているライバルをすでにリストアップしているのですから、
そこのライバルに不満を持っているターゲットに向けて、
「ライバルよりも優れている点」をアピールすればいいわけです。
例えば、
都内で素敵なインスタグラムの投稿をしている美容師に憧れて、
髪を切りに行く地方出身のお客様へ、
「わざわざ都内に行かなくても地方で同じような仕上がりにできますよ」
「ムダな電車賃を払わなくて済みますよ」
っていう投稿をメインにすれば、地方から都内へわざわざ通っている顧客を引き抜けるでしょうし、
同じメニュー展開で勝負するなら、さらに+αの付加価値をつければ、
「こっちよりもお得」と思わせることも可能です。
企業で言えば、
「駅前留学NOVA」なんかは、

わざわざ海外まで留学して英語を学ばなくても、近くの駅に同じような環境がありますよ
って「留学を考えている学生」にアピールしているし、
「結果にコミット」という強力なキャッチコピーで有名なライザップは、

「結果を出してくれない(痩せられないとか筋肉がつかない)ジム」なんてやめて、ライザップで結果を求めましょう。
とアピールしています。
でも本質をいえば、
NOVAは「英会話教室」だし、ライザップは「ジム」なんです。
結局この、
「ライバルに不満を持っている顧客」
を引き抜けるようなコンセプトは強いでしょう。
合わせ技で「価値の最大化」ができないか?

何も「美容師」だけにこだわる必要はありません。
今回の企画は「インスタグラムで集客する」ことがゴールです。
カンタンに言えば、
「集客のついでに髪を切るという行為」がついてくるという考えでもいいのです。
例えば、
マッチョな美容師ならヘアスタイルの他にも、

「筋トレ方法」だったり「ダイエット方法」なんかも提供できます。
これって「マッチョになりたい人」や「ダイエットしたい人」にも刺さります。
「話しを聞きたいからついでに髪もやろう」っていう感覚にもなるでしょう。
または、英語が話せる美容師ならば、

「英語を勉強したい人」または「英語しか話せない外国人」にも刺さります。
これも決してヘアスタイルがメインというわけでもなくなりますね。
これが良く言われる、
「切り口を変える」
という発想です。
美容業界でも良く使われている手法でもあります。
・モテる
・10歳若返る
・細見え
とか。
切り口を変えただけで、
そのジャンルのトップになれる可能性が出てきます。
「パクり」+「オリジナリティ」で差別化を図る

ここまでで、
- 自己分析
- 顧客分析
- ライバルの弱点のつき方
- 「合わせ技」でコンセプトを作る
という流れで説明をしてきました。
ただこんなにお伝えしていても、
所詮は、「美容業界」という狭い枠の中での戦いです。
何度も言いますが、業界はすでに飽和しています。
たかが個人で考えた程度のコンセプトなど、
よっぽどのアイディアマンじゃない限り、
どこかの誰かが同じようなこと思いついています。
例えば、
先程のRIZAPが良い例です。
RIZAPのようなビジネスモデルは、
多くのトレーナーが思いつくだろうし、
誰でもできるようなことです。
しかし、
RIZAPが有名になったのは、
芸能人のbefore afterを使ったテレビCMや、
「結果にコミット」
「痩せなければ返金」
という強烈なイメージを一瞬のうちに世の中に発信できたからです。
それ以降は、
「きついし値段も高いけど、パーソナルトレーナーがついて3ヶ月で必ず痩せられるジム」
とか言われると「RIZAPみたいな」というイメージになりました。
思い出してください。
当時いきなりよくわからないCMと音楽とキャッチコピーで印象を残し、
いつの間にか「ジム=ライザップ」というポジションにいる。
他のトレーナーが「俺の方が先の考えていた」とか言っても誰も相手にはしてくれません。
美容業界での戦いではこの、「ポジションがとれるコンセプト」を作りこめている美容師(サロン)でなければ生き残れません。
参入障壁が低いと完全にパクられる
例えば、
「重めのボブスタイル」なんて誰でも真似できるくらい簡単な技術でしょう。
よくある勘違いとしては、
「ライバルがマネをできるものはイケていないコンセプト」
ということ。
どんなにカットラインがきれいで、ツヤツヤでも所詮は、
「ただのボブスタイル」

「値段が安い」とか「立地がいい」とかで簡単に顧客を奪われます。
ちょっと前流行ったタピオカミルクティー屋さんなんてまさにそう。
ブームが去ったら閉店ラッシュでしたね。

だから参入障壁を上げるためにはどうすればいいか?を考えることも重要です。
例えば、
超技術力のある美容師ならば、
「ブリーチ2回しているダメージ毛でも縮毛矯正をキレイにかけられる」
とか
「アフリカ系のチリチリ毛まできれいに伸ばせる縮毛矯正ができる」
とか。
普通に美容師なら、「いや~やりたくないな」と思うような技術は間違いなく誰でもできるわけではありません。
または、大量の広告宣伝費を使い、大きく展開してその市場を独占する方法もありますが、
個人でやるスモールビジネスでは不向きでしょう。
コンセプトのカギは「お客様の潜在的な悩み」
ここも重要。
例えば、「デブのダイエット」を考えるだけでも、
ターゲットが違えば、コンセプトも変わります。
- 諦めているデブ
- 痩せたいけど痩せられないデブ
- 痩せないと病気で死ぬデブ
- デブと思ってないデブ
- デブじゃないけどデブと思っている人
- あえてのデブ
こんなに細分化できる。
ここで「諦めているデブ」や「あえてのデブ」に
「ダイエットしましょう」なんて言っても意味がない。
コンセプトを決める時は、
いかに相手の「潜在的な悩み」を見つけれらるかが大事。
ファブリーズもコンセプトを変えて大ヒットした商品
今では一家に1つはあるであろう、
「ファブリーズ」ですら、発売当初は全く売れなかったんです。
「くさい匂いを消したい」という悩みはすでにリサーチしていたので、
売れる確信がある状態で意気揚々と発売した結果、
これが全然売れない。。。
開発費や広告費も含めれば、「超赤字」だったでしょう。
(仕掛け人だったら、マジで夜も寝れなかっただろう・・・。)
その理由として発売当時のコンセプトを、
「くさい部屋のにおいを根元から除菌、消臭ができるスプレー」
として売り出していたから。
でも肝心の顧客側からしてみたら、
自分の部屋がくさいなんて思っていないし、
たばこ好きな人は、タバコ臭がくさいとは思っていなかったのです。
ただそんな中、
ファブリーズを購入している消費者にリサーチをしていくと
単純に、
「ファブリーズで部屋をいい匂いに変えたかった」
という理由で購入していたのです。
私も発売当時、
ルームフレグランスなどがまだあまりなかった時代に、
除菌とか消臭よりも、
「彼女が来るから部屋をいい匂いにしておこう」
とかで使っていた印象です。
ご存じの通りそこからのコンセプトを、
「部屋がいい匂いになり、さらに除菌や消臭もできるスプレー」
として売り出し、大ヒット商品となりました。
「メリット」ではなく「ベネフィット」の提示

これは、マーケティング的に言えば、メリットとベネフィットの提示の違いと言えます。
- ベネフィット:商品・サービスから得られる利益
- メリット:商品やサービスの特徴・利点
業界では有名な話で、
ホームセンターでドリルを購入する人は「ドリル」という機械自体でなく、
そのドリルを使って開けられる「穴」が目的で購入している。
というもの。
ファブリーズの例で言えば、
スプレーを使うと「消臭や除菌」ができる「メリット」を目的として購入させようとしている企業側と、
そのスプレーを使って「部屋をいい匂いにする」という「ベネフィット」を求めている消費者の価値観の違いでヒットしなかったとも言えます。
まとめ
ではここまで、
ながーーーい話をしましたが、
コンセプトについてまとめます。
- 自己分析で勝てるものは?
- 顧客分析で勝てる層は?
- ライバルの弱点は?
- 顧客の引き抜きができるか?
- 合わせられる強みは?
- 何がパクれてどこにオリジナリティがか出せるか?
- 潜在的なターゲットの悩みは?
- ベネフィットでどんな未来を見せれるか?
コンセプトを作るときは、これらを意識して作りましょう。
次は、
相手にあなた魅力を120%届かせるプロフィール作りです。
分からないときやご意見ご感想はお気軽に公式LINEまでどうぞ!

